中国で出産した場合、子供の"日本国籍の留保"の問題に直面します。
国籍留保とは、どういう意味なんでしょうか?。
中国で生まれた子供は、生まれた瞬間に中国国籍を取得します(親の国籍は無関係)。
何の手続きをしなくても中国で生まれたら中国国籍となるのです。
戸籍(戸口)の手続きが中国国籍取得と勘違いしている方もいますが、戸籍と国籍とは関係ありません。
戸籍は行政サービスを受ける為に必要なだけです。
逆に言うと中国国籍をすでに保有しているから、中国の戸籍に入れることができるのです。
さらに私のように親が日本人の場合、子は日本国籍も取得できます。
日本の役所(もしくは日本大使館)へ出生届けをだすと、子は日本国籍を取得します。
ここで要注意なのが、
中国は二重国籍を認めていないということです。
ですから、普通に日本国籍を取得してしまうと、その瞬間に中国国籍は抹消されてしまいます。
そこで日本としては中国の二重国籍禁止の法律に配慮して、『
国籍留保』という手続きを用意しています。
これは簡単にいうと、『中国国籍は取得したけど、将来子供が国籍を選択できるように日本国籍も押さえておく』という方法です。
ただし、留保とは保留という意味ではありません。
国籍留保と聞くと、最初は中国国籍にして日本国籍は保留しておいて、将来日本国籍に変更すると考えてしまいます。
これは間違いです。
留保というのは、将来日本で国籍を選択する権利があるということで、日本国籍となることを保留しているわけではないのです。
ですから、日本の役所(日本大使館)へ出生届けと国籍留保の申請をした時点で、子は生まれた瞬間から日本国籍を保有していることになります。
つまり手続きで説明すると、、、
日本の役所へ出生届けをだすと、日本国籍だけになります。中国側へ中国国籍抹消の連絡がいきますので、中国国籍はなくなります。
日本の役所へ出生届け+国籍留保の届けをだすと、日本国籍を取得します。しかし中国側へは連絡しないので、中国国籍は有効のままです。
どうです?、わかりますかねぇ。。。
国籍留保したケースを具体的に書くと、、、
日本国内では、"中国国籍の権利"・"日本国籍の権利"の両方を行使できます。
ただしこれは22歳までです。
22歳までにどちらを選択しなければなりません。
中国国内ではどうでしょうか?。
中国は二重国籍を認めていませんから、中国もしくは日本どちらかの権利しか行使できません。
国籍留保して中国国籍と日本国籍の両方を保持している子が、中国国籍の権利を行使する分には何の問題もありません。
しかし日本国籍の権利(例えば日本のパスポート)を中国で使用すると、中国側はその子が二重国籍であることが分かるので、中国国籍を抹消してしまいます。
そうです、法律違反ですからね。。。
このように国籍留保というのは、あくまで日本側が『中国で生まれて中国で生活するなら中国国籍でかまわないでしょ。でもどうしても日本国籍としたい人もいるだろうから、国籍留保した子に関しては日本国籍を与えておいて、22歳までにどちらか選ぶ』と規定しているだけなのです。
中国側にはこのような考え方はありませんから、国籍は1つしか認められません。
ですから国籍留保して中国で生活し、かつ中国国籍をキープしたい場合は、中国で日本国籍の権利を使用しないように気をつける必要があります。
具体的には日本のパスポートですね。
中国からの出入国に日本のパスポートを使うと、すぐにバレてしまいます。
また中国の日本人学校に入学しようとすると、日本のパスポートと中国滞在ビザが必要となります。
この場合は中国国籍を抹消して、日本国籍のみにするしかありません。
いかがでしょうか?。
わたしの文書力ではうまくお伝えできませんが、国によって制度が随分違うなぁと実感しますね。
ちなみに私の妻(中国人)は、将来子は絶対日本国籍にするといっています。
中国人にとって『日本のパスポート』の威力は大変なものですから(笑)。
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